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Vol.193 男性の育休取得率40%超え
「男性の育休取得率40%超え」 代表取締役 福山 研一
厚生労働省が7月30日に発表した2024年度「雇用均等基本調査」によると、男性育児休業取得率は過去最高の40.5%に達し、前年から10ポイント以上の大幅な上昇を記録しました。これは、政府が掲げる「2025年度までに50%達成」という目標に現実味をもたらす、非常に象徴的な変化です。
背景には、2022年に施行された「産後パパ育休(出生時育児休業)」の制度導入や、企業に対して育休制度の周知と取得意向確認を義務付ける法改正などがあります。制度面の整備に加え、共働き家庭の増加やジェンダー平等への意識向上も後押しし、若い世代を中心に「育児は夫婦で担うもの」という価値観が着実に浸透してきました。
こうした変化は、労働者の働き方やライフスタイルに対するニーズが、従来の「仕事一辺倒」から「家庭や個人の時間とのバランスを重視」へと移行していることの表れです。特に30代以下の若手層においては、「育休が取りやすいかどうか」を転職時の企業選びの軸とするケースも増えており、企業の姿勢が採用力や定着率に直結する時代になってきたと言えます。
一方で、現場に目を向けると課題も残されています。たとえば、取得率の向上とは裏腹に、実際の取得日数は依然として平均1〜2ヵ月程度にとどまり、「制度は使ったが、実質的には長期休業ではなかった」という声も散見されます。また、中小企業では人手や代替要員の確保が難しく、制度上は可能でも「休める雰囲気がない」という心理的ハードルも根強く残っています。
今後、企業が意識すべきポイントは以下の3点といえます。
1.制度の「周知」だけでなく「文化としての定着」
育休の仕組みを用意するだけではなく、実際に取得した社員の事例を社内で共有する、管理職が積極的に育児参加の姿勢を見せるなど、職場全体の理解促進が不可欠です。
2.業務の属人化を防ぎ、代替体制を構築する
育休取得をスムーズにするには、普段から業務フローを整え、誰かが抜けても回る体制を整えておくことが重要です。これは、長期離脱リスクへの備えとしても有効です。
3.採用・定着の観点からのPR活用
男性育休の実績や支援体制を求人票や企業説明で積極的に発信することは、求職者への信頼感や企業イメージの向上につながります。
働き方の選択肢が広がる中で、「育休=女性のもの」という固定観念は過去のものとなりつつあります。私も含めて、昭和世代には感覚が追い付かない面もあるかもしれませんが、今後は、「男性が育休を取るのが当たり前」という空気を社内外で醸成できるかが、企業の魅力や人材力に直結する鍵となります。
私たち人材紹介会社の立場としても、こうした価値観の変化に寄り添いながら、企業と求職者の双方にとって最適なマッチングをサポートしてまいりたいと思います。