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Vol.183 新内閣発足と最低賃金
2024年10月08日
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◇◇ ASTATE Monthly Letter ◇◇
(アステートメールルマガジン Vol.183)
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「新内閣発足と最低賃金」 代表取締役 福山 研一
9月27日の自民党総裁選を経て、10月1日に石破新内閣が発足致しました。10月4日には衆参両院の本会議で所信表明演説も行われましたが、私は雇用政策や労働法制について注目してみていました。
まず、実際の所管となる厚生労働大臣には、初入閣の福岡資麿参院議員が就任しています。自民党の厚生労働部会長などを歴任し、厚労行政には明るいという報道もみられましたが、基本的には総理の方針・指示に従って取り組まれるものと思います。
そして、石破総理から発せられたものとして、一番の注目は、2020年代に最低賃金の全国平均を時給1500円に引き上げる目標を掲げたことです。
これは逆算すると5年連続で毎年7%以上の賃上げが必要になり、例えば徳島県では、毎年70円程度の上昇となります。
労働者にとっては望ましいことかもしれませんが、経済団体では意見が分かれ、経済同友会は引き上げを要望し、中小企業の意見を束ねる日本商工会議所は慎重な検討が必要との姿勢を示しています。
おりしも徳島県では、後藤田知事の意向などもあり、11月1日から9.3%アップの980円への引き上げを控えているところで、全国紙でも「最低賃金「徳島県84円上げ」の衝撃」と注目されています。
賃上げにより社員のモチベーションや生産性が上がり、業績も向上すればいいのですが、社員のパフォーマンスも業績も変わらないのに、賃上げだけが毎年のように続くのは中小企業にとってはタフな話かと思います。
中小企業の賃上げ環境整備や将来の経済のパイの拡大などにも言及されていましたが、中小企業自身の努力はもちろんのこと、逆に雇用を減らしてしまうことのないよう、政策の進め方やバランス感覚には期待したいところです。
10月27日に衆院選もあるようですので、与野党含めた公約や選挙結果の動向にも注視したいと思います。