Vol.156 参院選と雇用政策

2022年07月05日

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◇◇ ASTATE Monthly Letter ◇◇
(アステートメールルマガジン Vol.156)
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今月のひと言
「参院選と雇用政策」代表取締役 福山研一

今週末7/10に参議院選挙の投開票が迫っていますが、優先する選挙戦の争点について読売新聞社が立候補者に実施したアンケートでは、「景気・雇用対策」が50%と最も多く、「外交・安全保障」が45%で2位だったようです。
政党別では、9党のうち、自民、公明、維新、国民の4党で「景気・雇用対策」が
トップとなり、ロシアのウクライナ侵攻で「外交・安全保障」への注目が高まりつつあるなかでも、「景気・雇用対策」への候補者側への意識がみてとれます。

個人的にも、人材サービスやキャリア支援に携わる立場柄、特に雇用政策には注目していますが、各党が公約に掲げているものをみると、同一労働同一賃金、男女間賃金格差解消、最低賃金引上げ、勤務間インターバル規制、短時間正社員制度、多様な働き方の推進…、といったキーワードが並んでいます。(早稲田大学マニフェスト研究所のサイト等を参照)

実際のところ、あまり目新しいものはなく、かつて、派遣法改正や働き方改革関連法案等で、議論が紛糾したときのような雰囲気もなく、「景気・雇用対策」を優先テーマといいつつ、実際は「景気」対策の方に重きが置かれているような印象も受けます。

また、雇用政策として挙げられているものは、多くは労働者支援に関する政策で、それはそれで必要なことではありますが、人手不足や採用難に困っている企業側の支援に繋がるものは、非常に少ないように感じます。強いて挙げれば、賃上げ税制やジョブ型雇用の転換促進、起業支援といったところで、得票には繋がらないものかもしれませんが、企業への支援策や雇用の流動化策など、メディアにおいても、もう少しクローズアップしてもらいたいと思います。
景気対策に雇用は欠かせない要素です。労働人口減少時代に向けた雇用対策を期待したいものです。