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Vol.191 徳島県の高卒採用の難易度
「徳島県の高卒採用の難易度」 代表取締役 福山 研一
6月に入り、2026年春に卒業する大学生・大学院生を対象とした採用選考が解禁されたというニュースもありましたが、なかには民間調査で既に就職内定率が8割を超えているという記事も見られました。
私も大学生の就職支援に携わっておりますが、3年(修士1年)夏のインターンをきっかけにした早期選考の増加など、年々早期化している状況を実感しています。
一方、就活ルールの形骸化が進む大卒採用とは逆に、高卒採用では、行政・学校・経済団体の三者間のルールが厳格に守られているように思います。
ハローワークや学校を通じた求人公開や、一人一社制、生徒への直接連絡禁止などのルールがあり、スケジュールも例年2月頃に三者で取りまとめられて、厳格に運用されています。
ここで、売手市場で早期選考への対応で負担もかかる大卒から、内定辞退もほぼない高卒採用を検討する企業もあるかもしれませんが、採用難易度としては、高卒採用も極めて高難度になるかと思います。
徳島労働局から毎年5月頃に公表されている「新規学校卒業予定者の就職内定状況等をとりまとめ」から、過去14年ほど遡って数値を拾ったものが以下になります。
[卒業年] 就職希望者 受理求人数
[2012.3] 1,130人 1,439人
[2013.3] 1,066人 1,304人
[2014.3] 1,015人 1,412人
[2015.3] 1,032人 1,733人
[2016.3] 1,056人 1,944人
[2017.3] 1,015人 2,134人
[2018.3] 1,047人 2,478人
[2019.3] 1,077人 2,463人
[2020.3] 998人 2,489人
[2021.3] 884人 2,147人
[2022.3] 877人 2,266人
[2023.3] 797人 2,552人
[2024.3] 750人 2,858人
[2025.3] 747人 2,812人
就職希望者は、徳島県内の就職希望者数で、受理求人数は徳島県内のハローワークで受理した求人数になります。少子化や大学進学率の上昇で、就職希望者数が減少の一途を辿っていますが、求人数はこの14年間で倍増し、就職希望者の4倍近い数となっています。
これを見て、高卒採用も簡単ではないことはご理解頂けると思います。
業務の特性や社内のバランス等で、高卒・大卒採用が求められるケースもあると思いますが、こうした実態も踏まえた上で、若手の新卒採用がいいのか、中堅・中高年の中途採用なのか、あるいは採用ではなく定着に注力したり、少人数で仕事を行える仕組みづくりを考えたり、最善の選択肢を考えて頂ければと思います。