Vol.179 過去最高の大卒就職率

2024年06月09日

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◇◇ ASTATE Monthly Letter ◇◇
(アステートメールルマガジン Vol.179)
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今月のひと言
「過去最高の大卒就職率」 代表取締役 福山 研一

先月24日、厚生労働省・文部科学省の両省から2024年3月卒業の大学生の就職率(4月1日時点)が 発表され、1997年の発表開始以来の最高となる98.1%だったことがわかりました。前年比では0.8ポイント増で、3年連続の上昇となっています。
これは、全大学生の統計ではないサンプル調査で、かつ分母の就職希望者が減少することでパーセンテージが上がることもあり、額面通り受け取るのはどうかという声もありますが、毎年の同様の計測によるもので、その推移という点では一定の評価ができます。この結果が示す学生優位の「売り手市場」ということも間違いはないと思います。

この大卒就職率上昇の要因として、少子化による大卒人口減少の視点も挙げられますが、コロナ禍で一時悪化したことを考えると、求人・採用の増加によるものと考えられます。

まず人口面をみると、例えば私のような団塊Jr.世代の50歳前後では、同年代は200万人ほどいたのに対し、22歳前後は120万人ほどと4割も減少していますが、大学進学率が、3割前後から5割以上に上昇しており、大卒者人口はこれまで概ね50万人台で大きく変動していません。
その点では、大卒の新卒採用が難しいからと高卒採用を考えても、人口減少と大学進学率上昇で高卒就職希望者は減少していることから、より難しいものと考えられます。

こうしてみると、やはり企業側の求人・採用が増えていることが売り手市場の要因で、その多くの企業・求人のなかで、来てほしい学生にいかに興味をもってもらうか、基本的なところですが、それが対策のポイントの1つになってきます。
団塊Jr.世代の就活時代と違って、価値観も変化・多様化し、必ずしも給与面が第1条件ではなくなり、工夫の余地もありますし、ベストの採用を追い求めすぎずに、育成や定着面に注力するといった方策も考えられます。

弊社としては中途採用のご支援がメインになりますが、個人的に2015年から大学生の就活支援に携わっていることもあり、キャリアコンサルタントとしてもお手伝いできることもあるかと思います。お困りのことがございましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。