Vol.169 最低賃金の全国平均が1000円越えに

2023年08月08日

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◇◇ ASTATE Monthly Letter ◇◇
(アステートメールルマガジン Vol.169)
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今月のひと言
「最低賃金の全国平均が1000円越えに」 代表取締役 福山 研一

7月28日の中央最低賃金審議会で、令和5年度の地域別最低賃金改定額の目安について答申が取りまとめられ、全国平均で41円引上げられ、この秋にも1002円となる見通しとなりました。
昨年もこの時期に、「過去最大の最低賃金引上げ」というタイトルで全国平均で31円の引上げのメルマガを配信致しましたが、今年度はこれを更に10円上回っております。

徳島県は、現状が855円で、Bランク40円の引き上げ目安のため、895円になりそうです。求人等では10円単位の設定が多いため、実質900円になるかと思います。2013年の666円から10年間で229円(約35%)の上昇となります。

この大幅な引上げについては、ここ最近の物価高なども考慮してのことかと思いますし、働く人には好ましいことで、これが消費や経済活動の好循環などに寄与することを期待しますが、個人的にこの最低賃金に関しては、少々思うことがあります。

企業としては、最低賃金といわず、少しでも高い賃金を支払えるように経営努力をすべきだと思いますが、働く人にも、自らも仕事のレベルを上げて、高い給与を勝ち取るようなことを考えてもらえたら、と思ったりします。
当然、会社への貢献度の高い仕事をして、会社に利益をもたらせば、給与に反映する原資もできます。そこで適正な評価が得られなければ、転職という選択も出てくると思いますし、実際に仕事のパフォーマンスが上がっていれば、転職先もあるはずです。
逆に、5年10年やっている仕事は同じで、会社の業績も横ばいなのに、物価が上がったから、最低賃金が上がったからと、給与を上げるというのは、会社によっては厳しいところも出てくるのではないかと思います。

基本は、仕事に見合った賃金、賃金に見合った仕事で、このバランスが崩れると、働く人からみれば、転職という選択になりますし、企業からみれば、雇用しないという選択になるように思います。
採用難の折、社員が成長し、より高いパフォーマンスを発揮しやすい環境づくりと、適正な評価体制の構築を目指していきたいものです。