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Vol.163 相次ぐ賃上げのニュース
2023年02月05日
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◇◇ ASTATE Monthly Letter ◇◇
(アステートメールルマガジン Vol.163)
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今月のひと言
「相次ぐ賃上げのニュース」
このところ従業員の賃上げを表明する企業のニュースが相次いでいます。当初は正社員中心でしたが、パート・アルバイトなど雇用形態でも広がりを見せているようです。岸田総理の物価上昇率を超える賃上げの要請の影響があるのかどうか分かりませんが、採用難や従業員の定着促進の観点で、賃上げを考えている側面もあると思います。
賃上げ余力のある企業は積極的に対応されるといいかと思いますが、中小企業を中心に余力の少ない企業は、対応が遅れることで給与差が広がり、ますます採用が厳しくなる懸念もあります。岸田総理にも要請だけでなく、具体的な賃上げに向けた施策の早期実施を期待したいところです。
最低賃金もこの10年程で一気に上昇しておりますが、人手不足・採用難で求人の給与水準も上昇しているように感じます。
ただ、求人の募集賃金を引き上げる場合は、既存の従業員と給与水準の逆転現象が生じないように注意も必要になってきます。新卒採用の社員や、募集の1人分の給与だけの話ですまなくなり、募集賃金の引上げを躊躇している企業もあるかもしれません。
賃金については、最低賃金等の制度的なことや、従業員の生活や満足度の視点もありますが、個人的には、その仕事の価値とのバランスもあると考えています。会社に大きな利益をもたらしたり、貢献度の高い仕事をしてくれる社員であれば、それに見合った高い賃金を支払うことに何の躊躇いもないと思います。
一斉一律の賃上げの他にも、仕事の水準に合わせた賃金アップの明確な指標を示したり、まず賃上げすることで、モチベーションやパフォーマンスの向上を期待したり、様々な対応が考えられます。
採用に関しても、高い賃金に見合った有能な即戦力の人材を求めることもできますが、今は逆に、高賃金の人材の奪い合いに加わるよりも、やる気のある未経験者を採用して育成するという視点も、ときには必要なように思います。
昨今の賃上げのムードが、単なる人件費の負担増というネガティブなものにならない考え方も持ちたいものです。